打楽器パートの練習を通りがかったとき、何を確かめていますか?
こんな場面は、多くの学校であると思います。
音が出ていれば、とりあえず大丈夫そうに見える
気になることがあっても、何と声をかければいいか分からない
管楽器や全体のバランスを見るので手一杯で、打楽器まで手が回らない
打楽器を専門にしている顧問の先生は、多くありません。
それでも、パートの練習は毎日進んでいきます。
答えを先に書きます。打楽器を見る機会があったら、まずこの3つを確かめてください。
変な力みが入っていないか。
左右で同じ音量・音色で鳴っているか。
リズムの変わり目で、テンポが揺れていないか。
もちろん、ほかにも見るところはたくさんあります。
この記事では、その中から、普段の何気ない練習の音で確かめられるものに絞ってお伝えします。
なお、基礎練習のときに見ておきたい体の使い方(力みと演奏姿勢)は、以下の記事にまとめました。
この記事は、合奏以外の時間(パート練習や個人練習)に、音を聴いて確かめる話です。


変な力みは、怪我を防ぐために見る
力みを見るのは、音のためだけではありません。生徒の怪我の予防につながります。
これまで見てきた中では、力んで叩いている生徒ほど、手首を痛めやすい印象があります。
怪我をすると、しばらく練習ができません。
本番が近い時期なら、なおさらです。
スティックを握り込んでいる、肩が上がっている。そんな様子に気づいたら、「力を抜いてね」と一声かけてください。
力みの見分け方は、こちらの記事で詳しく書いています。

左右で同じ音が鳴っているかは、耳だけで分かる
右と左で、同じ音量・同じ音色で鳴っているか。これは見なくても、聴くだけで分かります。
分かりやすいのは、スネアドラムで16分音符を右・左・右・左と交互に叩くところです。
左右がそろっていれば、「タタタタ」と粒のそろった音が続きます。
そろっていないと、「トテトテ」と聞こえます。
本人は叩くことに精一杯で、自分では気づきにくいところです。
先生が通りがかりに数小節聴くだけでも、十分に確かめられます。
気になったら、「右と左、同じ音で鳴ってる?」と聞いてみてください。
そのうえで声をかけるなら、叩く場所と、スティックの高さです。
左右とも同じ場所を正確に狙えているか。左右のスティックを同じ高さから振り下ろしているか。
どちらも、音だけでなく目でも確かめられます。
私が指導した生徒にも、左右の音がそろわない生徒がいました。叩く場所とスティックの高さを伝えましたが、その場ですぐには直りませんでした。
それでも本番の演奏では、左右の音がそろっていました。
すぐに変わらなくても、声をかけ続ける意味はあります。
リズムの変わり目だけ、テンポを聴く
曲を最初から最後まで聴く必要はありません。特に、リズムが変わるところだけ聴いてください。
テンポが揺れやすいのは、拍子が変わるところや、演奏のパターンが変わるところです。
実際にあったのは、4分の4拍子から8分の6拍子に変わる場面です。
8分の6拍子に入ったところで8分音符の刻みが走ってしまい、全体のテンポが速くなってしまいました。
変わり目の前後を続けて聴いて、同じ速さで流れているかを確かめます。
揺れていたら、その前後の数小節だけを、メトロノームに合わせて繰り返させてみてください。
切り替え部分は、パート練習では取り組みにくいので、合奏で重点的に確認しましょう。
先生が見られない日は、パートリーダーに任せる方法もある
この3つは、先生が見るのがいちばん効果は高いです。ただ、上級生やパートリーダーに任せる方法もあります。
毎日、打楽器の練習に付き添える先生は多くありません。
その日は、パートリーダーにこの3つを伝えて、お互いの音を聴き合ってもらってください。
先生が気にかけているポイントが共有されていれば、生徒どうしでも確かめられるようになります。
まとめ|明日、かける一言はこれだけ
変な力みが入っていないかを見る。怪我の予防につながる
左右で同じ音量・音色で鳴っているかを、耳で確かめる
リズムの変わり目だけ、テンポが揺れていないかを聴いてみる
先生が打楽器を叩けなくても、確かめることはできます。
明日、打楽器の練習を通りがかったら、かける一言はこれだけです。
「右と左、同じ音で鳴ってる?」
この3つを先生が気にかけているだけで、生徒との普段のやり取りも変わってくるはずです。

