こんにちは!
今回は、ティンパニ奏者の皆さんにとって、演奏のしやすさを大きく左右する「ペダル」のトラブルについて、その原因と自分でできる調整法を詳しく解説していきます!
「なんだかペダルが固くて踏み込みにくい…」「チューニングしたはずなのに、ペダルが勝手に動いて音が狂ってしまう…」そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、次の内容を知ることができます!
- ティンパニのペダルが不調になる主な原因
- 「固い」「勝手に動く」といったトラブルに対する具体的な調整方法
- 日頃からできるメンテナンスと、プロに任せるべきケースの見極め
この記事を読んで、ペダルの基本的な仕組みと調整法を理解しましょう!
参考にしている教則本はこちら!
なぜペダルは不調になる?知っておきたい3大原因
ティンパニのペダルの不調に対処するためには、まず「なぜ」不調になるのか、その原因を知っておくことが大切です。
主な原因は、大きく分けて3つあります。
- 原因①:そもそも正しいチューニングができていない
- 原因②:「スプリング(バネ)の張力」が合っていない
- 原因③:可動部分の「潤滑不足」または「ゴミ詰まり」
順番に紹介します!
原因①:そもそも正しいチューニングができていない
ペダルの調整をする前に、正しいチューニングができているかを確認しましょう!
ティンパニは、ペダルを1番下に下げた状態で、その楽器の最低音が出る設計になっています。
この状態でなければ、ティンパニのペダルを正しく調整することはできません!
- ティンパニのボルトを触ったことがない。
- 最低音のチューニングの方法を知らない。
このような状態であれば、まずは各ティンパニの最低音を正しくチューニングしましょう!
チューニング方法は、以下の記事で紹介しています!

原因②:「スプリング(バネ)の張力」が合っていない
ペダル式のティンパニは、非常に巧妙な仕組みで音程を変えています。
- ヘッド(皮)が常に縮もうとする力(張力)
- ペダル内部のスプリング(バネ)が常に引っ張ろうとする力(張力)
この2つの力が「つり合う」ことで、任意の位置でピタッと止まるように設計されています!
ところが、ヘッドの張力はチューニングによって変わります。
高い音に合わせればヘッドの張力は強くなり、低い音に合わせれば弱くなります。
このヘッドの張力の変化に合わせて、スプリングの張力も調整してあげないと、2つの力のバランスが崩れてしまうのです。
- ペダルが固い(踏み込めない)場合や、勝手に上がってしまう場合:これは、スプリングの張力がヘッドの張力よりも強すぎる状態です。
- ペダルが勝手に下がってしまう場合:これは、スプリングの張力がヘッドの張力よりも弱すぎる状態です。
この「スプリングの張力調整」が、ペダルトラブル解決の最も重要な鍵です!
原因③:可動部分の「潤滑不足」または「ゴミ詰まり」
ティンパニのペダルの内部には、チェーンや軸、歯車など、多くの金属パーツが複雑に組み合わさっています。
これらのパーツがスムーズに動くことで、滑らかなペダル操作が可能になります!
しかし、長年使っていると、
- 可動部分の潤滑油が切れて、金属同士の摩擦が大きくなる。
- ホコリやゴミが可動部分に詰まって、動きを妨げてしまう。
といったことが起こります。
これが、ペダルが「ギシギシする」「なんだか全体的に動きが重い」といった症状の原因になるのです。
この場合は、適切な清掃と注油が必要になります。
【実践】ティンパニペダルの調整法
原因が分かったところで、いよいよ具体的な調整方法です!
ここでは、症状別に自分でできるトラブルシューティングを解説します。
- ケース①:「ペダルが固い」「ペダルが勝手に上がってしまう」場合の対処法
- ケース②:「ペダルが勝手に下がってしまう」場合の対処法
- ケース③:「動きがギシギシする」「全体的に重い」場合の対処法
順番に紹介します!
ケース①:「ペダルが固い」「ペダルが勝手に上がってしまう」場合の対処法
これは、スプリングの張力がヘッドの張力よりも強い状態が原因です。
対処法は、スプリング調整ノブ(ハンドル)を回して、スプリングの力を「緩める」ことです。
スプリング調整ボルトの例

手順は以下の通りです。
- まず、ペダルを一番低い音の位置(かかと側にいっぱい踏み込んだ状態)に固定します。
- 楽器の支柱などにある、大きなスプリング調整ノブ(ハンドル)を見つけます。
- その調整ノブを、「緩める」方向(多くのモデルでは反時計回り)に、少しずつ回します。
- 少し回したら、一度ペダルを動かしてみて、動きがスムーズになったか、任意の音程で止まるようになったかを確認します。

これを繰り返して、ちょうど良いバランスの位置を見つけましょう。
一気に回しすぎると、かえってバランスが崩れてしまうので、調整は必ず少しずつ行いましょう!
ケース②:「ペダルが勝手に下がってしまう」場合の対処法
これは、逆にスプリングの張力がヘッドの張力よりも弱い状態が原因です。
対処法は、スプリング調整ノブ(ハンドル)を回して、スプリングの力を「強める」ことです。
手順は以下の通りです。
- まず、ペダルを一番低い音の位置(かかと側にいっぱい踏み込んだ状態)に固定します。
- スプリング調整ノブ(ハンドル)を見つけます。
- その調整ノブを、「強める」方向(多くのモデルでは時計回り)に、少しずつ回します。
- 少し回したら、一度ペダルを動かしてみて、任意の中間点でしっかりと止まるようになったかを確認します。

こちらの場合も、調整ノブを一気に回しすぎると、かえってバランスが崩れてしまいます。
調整は必ず少しずつ行いましょう!
ケース③:「動きがギシギシする」「全体的に重い」場合の対処法
これは、潤滑不足や汚れが原因の可能性が高いです。
対処法は、可動部分の清掃と注油です。
手順は以下の通りです。
- まず、ペダルのチェーンや軸、歯車などの可動部分に付着した古い油やホコリ、ゴミなどを、使い古しの歯ブラシや乾いた布で優しく取り除きます。
- 次に、楽器用のキーオイルを、各可動部分に少量だけ注油します。
- 注油したら、ペダルを数回動かして、油を全体に行き渡らせます。
- 最後に、余分な油は必ず綺麗な布でしっかりと拭き取ります。油が残っていると、そこにまたホコリが付着する原因になってしまいます。
注意点として、注油しすぎは厳禁です。本当にごく少量で十分です。
どの油を使えば良いか分からない場合は、必ず指導者の先生や楽器店の専門スタッフに確認しましょう。
トラブルを未然に防ぐ!日頃のメンテナンスと注意点
トラブルが起きてから対処するのも大切ですが、できればトラブルは未然に防ぎたいですよね。
そのために、日頃からできるメンテナンスと注意点についてお話しします。
- 演奏前の「ペダルチェック」を習慣にしよう
- 自分で対処してはいけないケース
順番に紹介します!
演奏前の「ペダルチェック」を習慣にしよう
毎日の練習を始める前に、必ずティンパニのペダルの状態をチェックする習慣をつけましょう。
- ペダルを一番上から下まで、スムーズに動くか?
- 途中で引っかかったり、変な音がしたりしないか?
- 任意の中間点で、手を離してもペダルはしっかりと止まるか?
この簡単なチェックを毎回行うだけで、その日の楽器のコンディションを把握でき、もし違和感があれば、演奏前に調整することができます。
毎日チューニングをする習慣がない場合は、この機会にぜひ習慣化してみてください!

自分で対処してはいけないケース
今回紹介した調整法は、比較的簡単で安全に行えるものですが、中には専門家でなければ対処できない、あるいはすべきでないトラブルもあります。
以下のような場合は、無理に自分で直そうとせず、速やかに指導者の先生に報告し、専門の楽器店や修理業者に相談しましょう!
- 今回紹介した調整をしても、不調が全く改善しない場合。
- ペダルのパーツが明らかに破損している、折れている、または外れてしまった場合。
- ペダルを動かすと「ガリガリ」「キーキー」といった、明らかに異常な音がする場合。
- ペダルの動きだけでなく、楽器本体に歪みや破損が見られる場合。
無理な自己修理は、かえって楽器を傷つけ、修理費用が高額になってしまうこともあります。
自分で対処できる範囲を見極めることも大切です。
まとめ
いかがでしたか!
今回の記事では、次の内容を紹介しました!
- ティンパニのペダルが不調になる主な原因は、「チューニング不良」「スプリングの張力バランスの崩れ」と「潤滑不足や汚れ」。
- 症状別の具体的な対処法:「ペダルが固い・勝手に上がる」場合はスプリングを緩め、「ペダルが勝手に下がる」場合はスプリングを強めるのが基本。
- 日頃から演奏前にペダルチェックを習慣にし、自分で対処できない深刻なトラブルの場合は、無理せず専門家に相談することの重要性。
ティンパニのペダルの仕組みを少しでも知ることで、楽器への理解が深まります!
快適なペダル操作で、ティンパニ演奏をさらに素晴らしいものにしてください!



コメント