こんにちは!
今回は、ティンパニにおいて、特に重要なテクニックである「ロール」について、基本的な演奏方法と、上手になるための効果的な基礎練習の取り組み方を紹介していきます!
ティンパニのロールって、滑らかで持続的な音を出すのが難しくて、なかなか綺麗に繋がらない…と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、次の内容を知ることができます!
- ティンパニのロールを演奏するための正しい構え方と基本的な音の出し方
- ロールが上達するための効果的な基礎練習メニューのポイント
- 練習する上での注意点やコツ
この記事を読んで、毎日の基礎練習をもっと楽しく、効果的なものにしていきましょう!
参考にしている教則本はこちら!
基礎練習の楽譜紹介
今回紹介する基礎練習はこちらです!

この基礎練習の概要は次の通りです!
各演奏でどのような練習をしているのか考えながら演奏してみましょう!
- 演奏中の姿勢、打つ場所は適切か
- 演奏の音色は均一か、左右でばらつきはないか
基礎練習の練習内容
それでは、ティンパニのロールが上達するための具体的な基礎練習の内容について見ていきましょう!
ここでは、特に重要な2つのポイントに絞って解説します。
- ティンパニの基本的な奏法が身につく!
- 1つ打ちが上達する!
順番に紹介します!
ティンパニの基本的な奏法が身につく!
ロールを演奏するためには、まず楽器の基本的な奏法をしっかりと身につけることが大前提です。
これには、正しい構え方、マレットの持ち方、そして一音一音を大切に叩く意識が含まれます。
正しい構え方と姿勢
- ティンパニの前に立つ際は、足は肩幅程度に開き、体重が均等にかかるようにします。どちらかの足に体重が偏ると、体のバランスが崩れやすくなります。
- 背筋は自然に伸ばし、肩や腕の力は抜いてリラックスします。特に肩に力が入りやすいので注意しましょう。
- ティンパニの打面との距離は、マレットを持った際に肘が軽く曲がり、自然にストロークできる位置が理想です。
- 複数のティンパニを演奏する場合は、それぞれの楽器にスムーズに移動できるような立ち位置を意識します。可能であれば、演奏しやすい場所にティンパニを配置しましょう。
マレットの持ち方(グリップ)
- ティンパニのマレットは、一般的にジャーマングリップ(手の甲が上を向く持ち方)またはフレンチグリップ(親指が上を向く持ち方)で持つことが多いです。どちらのグリップが良いかは、演奏する曲や求める音色、個人の好みによっても変わります。
- スティックと同じように、マレットを強く握りしめず、親指と人差し指で支点を作り、他の指は軽く添えるように持ちます。
- 手首を柔らかく、しなやかに使えるように意識することが、ロールの滑らかさに繋がります。
基本的な音の出し方
- ティンパニの打面の叩く位置は、一般的にヘッドの端から全体の半径の1/3~1/4程度の場所が良いとされています。中心を叩くと音が響きにくく、端すぎると倍音が強くなりすぎることがあります。
- 音を出す際は、マレットを振り下ろすのではなく、手首のスナップを使って、打面に対してマレットが自然に跳ね返るように叩きます。叩いた瞬間に力を込めるのではなく、リラックスした状態でマレットのスピードを利用するイメージです。
- ロールの練習に入る前に、まずは一音一音をクリアで豊かな響きで鳴らせるように、基本的なストローク練習を丁寧に行うことが大切です。
これらの基本的な奏法が安定してくると、ロールの練習もスムーズに進められるようになります。
焦らず、一つ一つの動作を確認しながら取り組みましょう!
1つ打ちが上達する!
ティンパニのロールは、基本的には左右の手で交互に音を出す「シングルストローク(1つ打ち)」の連続です。
したがって、綺麗なロールを演奏するためには、まず左右の1つ打ちの音量、音質、タイミングが均一であることが非常に重要になります。
左右の手のバランスを整える練習
- メトロノームを使い、最初は非常にゆっくりとしたテンポ(例:♩=60など)で、左右の手で交互に一音ずつ叩く練習をします。
- この時、右手の音と左手の音が同じ音量、同じ音質になるように、耳でよく聴きながらコントロールします。
- 鏡を見て、左右の手の動き(マレットの高さ、手首の使い方など)が対象になっているかを確認するのも効果的です。
- 慣れてきたら、少しずつテンポを上げていきますが、常に左右のバランスを意識し続けることが大切です。
音の粒立ちを揃える練習
- ロールは、個々の音が途切れることなく滑らかに繋がって聴こえることが理想ですが、そのためには一音一音の「粒立ち」がはっきりしている必要があります。
- 練習では、各音のアタック(音の出だし)が明確になるように意識しましょう。マレットがヘッドに当たる瞬間のスピードや角度をコントロールすることで、音の輪郭が変わってきます。
- 特に小さい音量でロールを演奏する際は、粒立ちが曖昧になりやすいので注意が必要です。指先の細やかなコントロールも意識してみましょう。
音の長さをコントロールする練習
- ロールは持続音を表現するための奏法ですが、その中でも音の長さや密度をコントロールすることで、音楽的な表現の幅が広がります。
- 例えば、クレッシェンドしながらロールの密度を上げていったり、デクレッシェンドしながら密度を下げていったりする練習は、表現力を高めるのに役立ちます。
- また、曲によっては非常に短いロールや、逆に非常に長いロールを求められることもあります。様々な長さのロールに対応できるように、音を持続させる練習と、綺麗に止める練習の両方を行いましょう。
1つ打ちの精度が上がれば、ロールの質は格段に向上します。
地道な練習ですが、美しいロールを奏でるための最も重要なステップですので、丁寧に取り組みましょう。
ティンパニの基礎練習でのポイント
これまで紹介したロールの基礎練習をより効果的に行うために、常に意識しておきたい大切なポイントが2つあります。
- テンポや音域を変えながら演奏してみる!
- マレットによる音色の変化にも注目する!
順番に紹介します!
テンポや音域を変えながら演奏してみる!
同じ練習パターンでも、テンポや音域(ティンパニの音の高さ)を変えることで、様々な状況に対応できる応用力が身につきます。
テンポの変化
- ロールの練習は、必ずゆっくりとしたテンポから始め、徐々にスピードを上げていくようにしましょう。最初から速いテンポで練習すると、悪い癖がつきやすくなったり、左右のバランスが崩れたりする原因になります。
- メトロノームを使って、様々なテンポでロールが安定して演奏できるように練習します。目標とするテンポだけでなく、それよりも遅いテンポ、速いテンポでも練習することで、コントロールの幅が広がります。
- 曲の中でテンポが変わる場合(リタルダンドやアッチェレランドなど)にも対応できるように、テンポを徐々に変化させながらロールを続ける練習も効果的です。
音域の変化
- ティンパニは、ペダル操作によって音程を変えることができる楽器です。ロールを練習する際は、特定の音域だけでなく、様々な音域で練習するようにしましょう。
- 低い音域ではヘッドのテンション(張り具合)が緩いため、マレットが跳ね返りにくく、ロールを滑らかに繋げるのが難しいことがあります。逆に、高い音域ではヘッドが硬く張り、音が硬くなりすぎたり、コントロールが難しくなったりすることがあります。
- 各音域でのヘッドの反応の違いを感じ取り、それぞれの音域で最適なマレットのコントロールやタッチを見つけることが大切です。
- 可能であれば、複数のティンパニを使って、音程を移動しながらロールを続ける練習も行うと、より実践的なスキルが身につきます。
このように、テンポや音域という条件を変えながら練習することで、どんな状況でも美しいロールを奏でられる対応力が養われます。
マレットによる音色の変化にも注目する!
ティンパニのマレットは、ヘッドの素材(フェルト、フランネル、木、革など)や硬さ(ソフト、ミディアム、ハードなど)、芯の重さや形状によって、音色が大きく変わります。
もし複数の種類のマレットを持っている場合は、それぞれのマレットでロールを演奏し、音色やタッチの違いを比較してみましょう。
ロールの練習をする際にも、使用するマレットによって音の繋がり方や響き方が異なることを意識しましょう。
様々なマレットでのロール
- 柔らかいマレット(ソフト)は、音が暖かく滑らかに繋がりやすいですが、音の輪郭がぼやけやすいこともあります。
- 硬いマレット(ハード)は、音の輪郭がはっきりし、リズムも明確になりますが、音が硬くなりすぎたり、ロールが途切れて聴こえてしまうことがあります。
一般的に、ティンパニのロールには、ある程度の柔らかさと重さがあり、ヘッドとの接触面積が比較的広いマレットが適していると言われます。
しかし、これも絶対ではなく、曲調やフレーズによって、あえて硬めのマレットで歯切れの良いロールを演奏したり、非常に柔らかいマレットで霞のようなピアニッシモのロールを演奏することもあります。
曲の雰囲気や、求められる音楽表現に合わせて最適なマレットを選択できるようになるためには、それぞれのマレットの特性をよく理解しておく必要があります。
基礎練習の段階から、マレットの違いによる音色の変化に耳を傾け、「このマレットだと、こんなロールになるんだな」という感覚を掴んでおくことが大切です!
まとめ
今回の記事では、ティンパニの重要なテクニックである「ロール」について、基本的な演奏方法と効果的な基礎練習の取り組み方を中心に、以下のポイントを紹介しました!
- ロールの土台となる、正しい構え方、マレットの持ち方、基本的な音の出し方。
- 左右のバランスを整え、音の粒立ちと長さをコントロールする1つ打ちの練習の重要性。
- テンポや音域を変えながら練習すること、マレットによる音色の違いを意識することの大切さ。
今日紹介したような基礎練習を地道に、そして意識的に続けることで、必ず上達します!
焦らず、自分の音をよく聴きながら、美しいティンパニの響きを追求していってください!