吹奏楽のコンクールや演奏会を客席で聴いていると、気になることがあります。
タイミングは合っている。音程も大きく外れていない。
でも打楽器が鳴るたびに、そちらに目が向いてしまう。
打楽器が「目立ちすぎている」状態です。
これは打楽器が悪いわけではありません。演奏者は一生懸命やっています。
ただ、「客席でどう聴こえているか」という視点が抜けているだけです。
「合わない」には3つのパターンがある
打楽器のサウンドが管楽器と合わないとき、原因は大きく3つに分かれます。
①タイミングが合っていない
打楽器が早い、または遅い。管楽器とのズレがリズムの不安定につながります。
中学生のバンドで最もよく見られるパターンです。
音符を追うことに精一杯で、全体の音を聴く余裕がない状態です。
②音量が合っていない
打楽器が大きすぎて管楽器の音を消してしまう、または小さすぎてリズムの土台が聴こえない。
これも中学生のバンドでよく起きます。
自分の音がどのくらい客席に届いているか、演奏者自身が把握できていないことが原因です。
③音色が合っていない
タイミングも音量も合っているのに、打楽器だけ浮いて聴こえる。
これは高校生や社会人バンドになってから直面し始めるパターンです。
技術が上がるにつれて、打楽器の音色にかかわる問題が表面化してきます。
打楽器の発音やチューニングなどが、管楽器のサウンドと馴染んでいない状態です。
なぜ演奏者は気づけないのか
これらの問題に、なぜ演奏者自身が気づけないのでしょうか。
理由はシンプルです。演奏者は客席で聴こえる自分の音をイメージできないからです。
打楽器奏者は自分のすぐ近くで楽器を鳴らしています。
自分の耳に聴こえる音と、客席に届く音は全く別物です。
コンクールや演奏会を客席で聴いた打楽器奏者は、「あ、こんなふうに聴こえているのか」と初めて気づきます。
しかしその機会がなければ、ずっと気づかないまま演奏し続けます。
「客席基準」に切り替えるだけで変わる
解決策は1つです。
「自分がどう演奏したいか」ではなく、「客席でどう聴こえるべきか」を基準にすること。
演奏はあくまでお客さんに届けるためにするものです。
自分の満足度ではなく、客席での聴こえ方に標準を合わせる。
この意識を持つだけで、演奏は大きく変わります。
実際に「客席ではこう聴こえていますよ」と伝えるだけで、自分で修正できる生徒は多いです。
問題は技術ではなく、情報がなかっただけということがほとんどです。
顧問の先生にできること
とはいえ、顧問の先生が指揮台に立ちながら、客席での聴こえ方を把握することは難しいです。
できることは2つあります。
録音・録画を活用する
練習や本番の録音・録画を打楽器奏者に聴かせてください。
自分の演奏を客観的に聴く機会を作るだけで、生徒自身が「あ、こんなふうに聴こえているのか」と気づけます。
可能な限り、演奏した記憶が新しいうちに聴かせることが大切です!
練習中に客席側から聴く
ホール練習や、本番前の会場での音出し場面など、指揮台ではなく客席側に回って聴いてみてください。
打楽器が目立ちすぎていないか、管楽器と馴染んでいるかを確認できます。
それでも解決しない場合は
録音を聴かせても、客席から聴いても、なかなか改善しない場合があります。
音色の問題は特に難しく、「何が違うのか」「どう直せばいいのか」を言語化するには専門的な知識が必要です。
そういうときは、打楽器の専門家に一度聴いてもらうのが最も早い解決策です。
オンライン相談では、現状をお聞きするだけで問題の原因と解決の糸口をお伝えします。
録音や録画があれば、より具体的なアドバイスが可能です。

