こんにちは!
今回は、大切な学校の打楽器を長持ちさせるための「毎日の簡単なメンテナンス」について、ぜひ知っておいていただきたいポイントをまとめました!
「メンテナンス」って聞くと、なんだか難しくて専門家に任せるもの、と思っている人もいるかもしれません。
しかし、毎日できる簡単なケアこそが、楽器のコンディションを最高に保つ秘訣なんです!
この記事では、次の内容を知ることができます!
- なぜ毎日のメンテナンスが必要なのか、その2つの大きな理由。
- 打楽器パートが毎日やるべき、具体的なメンテナンス内容。
この記事を読んで、毎日の片付けを「ただ片付ける」から「愛情を込めたメンテナンス」へとステップアップさせ、楽器を大切にする素晴らしい環境を作っていきましょう!
参考にしている教則本はこちら!
なぜ毎日のメンテナンスが必要なの?~楽器と自分への2つのメリット~
毎日の練習後に、ほんの少しだけ楽器に手間をかけてあげることが、なぜそんなに大切なのでしょうか?
それには、楽器にとっても、そして皆さんにとっても、大きなメリットがあるんです。
- メリット①:楽器を長持ちさせ、最高のコンディションを保つため
- メリット②:自分の楽器を深く知り、トラブルを早期発見するため
順番に紹介します!
メリット①:楽器を長持ちさせ、最高のコンディションを保つため
楽器も人間と同じで、日々のちょっとしたケアが「健康」と「寿命」を大きく左右します。
練習中についた汗や指紋、そして空気中のホコリは、放っておくと楽器にとって様々な悪影響を及ぼします。
- 金属部分(スタンド、リム、シンバルなど)
→汗や指紋に含まれる塩分などで、錆びたり、くすんだりしてしまいます。
- 木製部分(鍵盤打楽器の音板、太鼓の胴など)
→ホコリや汚れが蓄積すると、見た目が悪くなるだけでなく、音の響きにも影響が出ることがあります。
- 皮製品(ティンパニやスネアドラムのヘッドなど)
→汚れが付着したままだと、劣化を早める原因になります。
毎日の簡単なメンテナンスは、これらのダメージを防ぎ、楽器を美しく、良い音が出る最高のコンディションに保つための、いわば「毎日の健康管理」なのです。
メリット②:自分の楽器を深く知り、トラブルを早期発見するため
毎日楽器に触れ、丁寧にメンテナンスをすることは、自分の使う楽器の状態を深く知る絶好の機会です!
「今日のティンパニ、いつもよりペダルが少し重いかな?」
「スネアスタンドのネジが、ちょっと緩みやすくなっているかも…」
「マリンバのこの音板、少し響きが悪い気がするな」
このように、毎日楽器の状態を確認する習慣があると、普段とのちょっとした違いに気づきやすくなります。
この「小さな気づき」こそが、非常に重要です!
ネジの緩みや小さな傷、パーツの不具合などを早期に発見できれば、大きな故障や、コンクール本番での「楽器が壊れた!」といった最悪のトラブルを未然に防ぐことに繋がります!
また、毎日丁寧に楽器に触れることで、自然と楽器への愛着が湧き、もっと大切に扱おうという気持ちも生まれてくるはずです!
今日から実践!打楽器パートが毎日やるべき基本メンテナンス
それでは、具体的に毎日どのようなメンテナンスをすれば良いのでしょうか?
ここでは、打楽器パートが練習後に必ず実践したい、基本的なメンテナンス項目を紹介します。
- 【共通】楽器全体のから拭きと最終チェック
- 【スネアドラム】響き線をオフに
- 【ティンパニ】ペダルを一番緩めた状態に
- 【バスドラム】スタンドをまっすぐに
- 【鍵盤打楽器】音板を優しくから拭き
- 【その他】カバーをかける&マレット・小物を定位置に
順番に紹介します!
【共通】楽器全体のから拭きと最終チェック
練習の最後には、楽器全体をクロスなどの柔らかい布で優しくから拭きする習慣をつけましょう!
練習中には、私たちの手から出る汗や皮脂、空気中のホコリ、マレットから出る削れカスなど、目に見えない様々な汚れが楽器に付着しています。
これらを放置すると、さびがついたり、形が変形するなど、楽器の劣化を早める原因になります。
様々な材質で作られている打楽器全体を清潔に保つことが、楽器を長持ちさせ、良い音を維持するための基本です!
から拭きのポイント
- 柔らかい布(マイクロファイバークロスなど)を使用する
→ 楽器の表面を傷つけないように、必ず乾いた柔らかい布で拭きましょう。
拭く箇所
- 金属部分: 手で触れたスタンド類、太鼓のリム(フープ)、ペダル、シンバル(指紋がつきやすい)などを丁寧に拭きます。
- 木製部分: 鍵盤打楽器の音板や、太鼓の胴なども、ホコリを払うように優しく拭きます。
- 皮製品: スネアやティンパニのヘッドなど、ホコリを払うように優しく拭きます。
楽器を様々な劣化から守るためにも、この最後の「から拭き」は非常に大切なメンテナンスです!
【スネアドラム】響き線をオフに
スネアドラムの練習が終わったら、必ず響き線(スナッピー)をオフにする(レバーを操作して、響き線をヘッドから離す)習慣をつけましょう!
なぜオフにするかというと、以下の理由があります。
- スナッピーの伸び防止
→常にヘッドに張り付いた状態だと、スナッピーを固定しているテープや紐にテンションがかかり続け、伸びたり切れたりする原因になります。
- 他の楽器の振動で鳴るのを防ぐため
→スナッピーがオンのままだと、近くでバスドラムやティンパニなどを叩いた振動で「ジャー」と共鳴してしまいます。
ストレイナー(スイッチ)を優しく操作して、スナッピーをオフにする習慣をつけましょう!
ただし、スネアドラムを専用のハードケースに入れて保管する場合は、スナッピーがケース内部で引っかかって傷つくのを防ぐために、あえてオンのままにする場合もあります。
パートの保管方法に合わせてルールを決めると良いでしょう。
【ティンパニ】ペダルを一番緩めた状態に
ティンパニの練習が終わったら、ペダルを操作してヘッド(皮)を最低音が出る状態(一番緩めた状態)に戻しておくのが基本です。
なぜ緩めるのかというと、以下の理由があります。
- ヘッドにかかる張力を均一に保つ
→常に高い音程で張りっぱなしにしていると、ヘッドに偏った負担がかかり、伸びてしまったり、音質が悪くなったり、最悪の場合破れやすくなったりします。
ペダルをかかと側にゆっくりと踏み込み、音程が一番下がるまで緩めてあげましょう!
こうすることで、ヘッドを休ませてあげることができます!
ただし、学校や楽団によっては、次にすぐに使えるように特定の音(例えば、各楽器の真ん中の音など)に合わせておく、という独自のルールがある場合もあります。
まずは指導者の先生に、パートでのルールを確認してみてください!
【バスドラム】スタンドをまっすぐに
コンサートバスドラムは、演奏のしやすさからスタンドを傾けて使うことが多いですよね。
練習が終わったら、この傾けたスタンドを、垂直な状態(まっすぐ)に戻して保管することを推奨します。
なぜかというと、以下の理由があります。
- 楽器への負荷軽減
→傾けたまま保管すると、楽器の重みでスタンドの特定の箇所に負担がかかり続け、歪みや故障の原因になることがあります。
- ヘッドへの負荷軽減
→傾けたまま保管すると、表の皮と裏の皮にかかる力が異なってしまい、劣化を早める原因になります。
演奏時に傾けていたスタンドを、保管時には優しく垂直な状態に戻してあげましょう。
また、本革のバスドラムを使用している場合は、気温や湿度によってヘッドの状態が変わります。
練習後は、必ずヘッドの状態を緩めておきましょう!
【鍵盤打楽器】音板を優しくから拭き
既に記載しましたが、マリンバやシロフォンなどの鍵盤打楽器は、音板(おんばん)が命です。
練習後には、柔らかい布(クロス)で、音板の表面を優しくから拭きしましょう。
なぜ拭くのかというと、以下の理由があります。
- 手垢や指紋、空気中のホコリなどを取り除く
→これらの汚れを放置しておくと、音板の響きを損なったり、劣化を早める原因になります。
拭くときは、音板を傷つけないように、ゴシゴシこするのではなく、優しく撫でるように拭きましょう!
特に、ローズウッドなどの天然木でできた音板は非常にデリケートです!
湿度や気温の影響を受けやすいので、必ずから拭きしましょう1
【その他】カバーをかける&マレット・小物を定位置に
最後に、全ての楽器に共通する、しかし非常に重要な習慣です。
・全ての楽器にカバーをかける
→練習が終わったら、ティンパニ、バスドラム、鍵盤楽器、スネアドラムなど、全ての楽器に専用のカバーをかけましょう。これは、ホコリよけになるだけでなく、急な温度や湿度の変化から楽器を少しでも守り、不意の傷つきを防ぐ大切な役割があります。
・使用したマレットや小物楽器を定位置に戻す
→使用したマレットやスティック、小物打楽器は、必ず所定の場所(マレットケースや専用の棚、トレーなど)に戻しましょう。これを徹底することで、紛失を防ぎ、次に使う人が気持ちよく練習を始められます。
まとめ
いかがでしたか!
今回の記事では、次の内容を紹介しました!
・毎日のメンテナンスは、楽器の健康維持と、トラブルを早期に発見するという2つの大きなメリットがあること。
・スネアの響き線をオフにする、ティンパニのペダルを緩める、バスドラムのスタンドをまっすぐに戻す、鍵盤や金属部分をから拭きするなど、今日からすぐに実践できる具体的なメンテナンス項目。
・カバーをかける、使ったものを定位置に戻すといった、基本的な片付けの習慣も重要であること。
この毎日の小さな習慣が、楽器を長持ちさせ、楽器との良い関係を築くことに繋がります!
できることから実践していきましょう!