こんにちは!
今回は、吹奏楽コンクール課題曲に取り組む際の、打楽器パートならではの「戦略的準備」についてお話しします!
コンクールの課題曲が発表され、楽譜が配られるこの時期。
「今年はどの曲になるかな?」と、ワクワクと緊張が入り混じっているのではないでしょうか?
多くの学校では、楽譜が配られたら「とりあえずパートを決めて、すぐに譜読み開始!」となりがちです。
でも、ちょっと待ってください。その進め方、実は後々大きなトラブルを招くかもしれません。
コンクールは演奏技術だけでなく、「リスク管理」と「段取り」が勝敗を大きく分けます。
特に打楽器は、管楽器とは違い、課題曲単体ではなく自由曲を含めたトータルコーディネートが必要不可欠です。
この記事では、予期せぬトラブルや本番の転換ミスを防ぐ「賢いパート運営」のために、以下のポイントを紹介します。
- 上級生が「全パート演奏可能」を目指すべき理由とリスク管理
- 課題曲と自由曲をセットで考える、配置と割り振りの重要性
- パート全体の底上げにつながる「ローテーション練習法」
この記事を読んで、今のうちに「頭を使った準備」を済ませ、余裕を持って音楽を楽しめる夏にしていきましょう!
参考にしている教則本はこちら!
上級生へのミッション「全パート演奏・指導可能」を目指す
まずは、上級生である皆さんに目指してほしい目標についてです。
それは、「パート内の上級生全員が、課題曲の全ての打楽器パートを演奏・指導できる状態」にすることです!
「えっ、自分の担当楽器だけじゃダメなの?」と思うかもしれませんが、これには深い理由があります。
ここでは、次の2つのポイントについて見ていきます。
- なぜ「専門楽器」だけではダメなのか?
- 「新入生」というタイムリミット
順番に紹介します!
なぜ「専門楽器」だけではダメなのか?
コンクール期間は長丁場です。予選から本選、その先へと進めば夏から秋まで続きます。
ここで一番怖いのが、「不測の事態」です。
- リスク管理としての全パート把握
本番直前の体調不良や怪我で、メンバー変更が必要になるケースは意外と多いです。
もし「スネア担当の子しかスネアが叩けない」という状況でその子が休んでしまったら、その時点で練習は止まってしまいます。
全員がある程度叩けるようにしておけば、急な代役にも即座に対応でき、パート全体の安心感につながります。 - 指導の質を高める
上級生として、自分が叩けない楽器を後輩や新入生に教えることはできません。
「自分もやったことがあるから分かるけど、ここは難しいよね」と共感し、的確なアドバイスをするためには、まず自分がその楽器を理解し、演奏できる必要があります。
「新入生」というタイムリミット
「全パート練習なんて、時間がかかりそう…」と思うかもしれません。
しかし、これに取り組めるのは「今」しかありません。
4月以降、新入生が入部してくると、上級生は彼らの指導に時間を取られることになり、自分の練習時間は驚くほど確保しにくくなります。
まだ新入生が入ってくる前の、自分たちの練習時間を確保しやすい「今」だからこそ、課題曲の全パートを練習しておきましょう。
そうすることでパート全体の基礎力が底上げされ、4月以降、誰がどのパートになっても対応できる「最強の布陣」を作ることができます。
課題曲と自由曲は「セット」で考える!配置と割り振りの罠
次に、打楽器パートの頭脳戦、「配置と割り振り」についてです。
課題曲の練習だからといって、課題曲のことだけを考えていては、後で痛い目を見ることになります。
打楽器特有の「移動問題」をクリアするために、課題曲と自由曲をセットで考える視点を持ちましょう。
ここでは、次のポイントに絞って解説します。
- 打楽器特有の悩み「移動問題」と避けるべき割り振り
- 「セッティング図」を見て、事前にシミュレーションをする
順番に紹介します!
打楽器特有の悩み「移動問題」と避けるべき割り振り
管楽器奏者は座席がある程度決まっていますが、打楽器奏者は曲間で楽器移動や持ち替えが発生します。
ここで注意したいのが、「課題曲と自由曲の間の入れ替え時間」です。
「課題曲はこの配置・この担当」「自由曲はこの配置・この担当」と別々に考えてしまうと、本番のわずかな曲間時間で大移動が起き、パニックになる可能性があります。
【避けるべき割り振りの例】
- 課題曲: ステージ奥側でティンパニ
- 自由曲: ステージ手前側でシロフォン
※あくまで1例です。人数や編成など、団体の都合上、選択肢がない場合もあります。
演奏者の移動距離が長いと移動時間がかかってしまう他、演奏のミスの原因になったり、集中力が欠けたまま演奏に入ることになったりします。
できるだけ移動が少なくて済むように、課題曲と自由曲の担当楽器を調整する必要があります。
「セッティング図」を見て、事前にシミュレーションをする
トラブルを防ぐために、「セッティング図」を一枚の紙に書いて事前にシミュレーションしましょう。
- まず、演奏で使う大型楽器(ティンパニ、バスドラム、鍵盤類)の配置を決めます。
- その隙間に、小物楽器やスネアなどをどう配置するかを書き込みます。
※この時に、誰がどの楽器を使用するのかを把握しておきましょう。 - 「このシンバルはAさんとBさんで共有する」といった省エネな動線を検討します。
このように移動を含めた状態で考えることで、本番の転換がスマートになり、演奏そのものに集中できるようになります。
基礎練習の楽譜紹介
パートの全員が、全ての打楽器を演奏できますか?
どの打楽器にも、それぞれの奏法、練習方法が存在します!
スティックもマレットも小物打楽器も、全ての打楽器の基礎を、パート全員で習得しましょう!

実践!今からできる「パート総当たり戦」練習法
配置やリスク管理の重要性が分かったところで、具体的な練習方法のアドバイスです。
合奏が本格化する前に、パート練習(分奏)の段階でやっておくべきことがあります!
ここでは、特に重要な次の2点について紹介します。
- ローテーション練習のススメ
- 指揮者・顧問への提案準備
順番に紹介します!
ローテーション練習のススメ
合奏に入る前の分奏段階では、あえてパートを固定せず、「全員が課題曲の全打楽器パートをローテーションで練習する」ことをおすすめします。
スネア担当の人もバスドラムを叩き、鍵盤担当の人もシンバルを叩いてみるのです。
これには以下のメリットがあります。
- 「おいしいところ」の共有
「ここが一番盛り上がるところだね!」と全員で曲のピークを共有できます。 - 「難しいところ」の理解
「このリズム、意外と入りにくいな」と他の楽器の苦労を知ることで、合奏中に「ここはバスドラムを聴いてあげよう」という気遣いが生まれ、パート内の一体感(アンサンブル力)が劇的に高まります。
指揮者・顧問への提案準備
上級生として、指揮者の先生や顧問の先生への「提案」も大切な仕事です。
早めに配置や割り振りの案を固めておくことで、先生に「楽器の配置ですが、移動をスムーズにするためにこうしてもいいですか?」と具体的に相談できます。
先生方は管楽器の指導で手一杯なことも多いです。
打楽器パートから「私たちはこう考えて準備しています」という姿勢を見せることで、先生からの信頼も厚くなり、より良い練習環境を作ることができます。
まとめ
コンクールの準備というと、どうしても個人の演奏技術を磨くことに目が行きがちですが、打楽器パートにとっては「運営」も実力のうちです。
- リスク管理: 全員が全パートを把握し、急な欠席にも対応できる「最強の布陣」を作る。
- 配置計画: 課題曲と自由曲をセットで考え、本番で慌てないスマートな動線を確保する。
- ローテーション練習: お互いの楽器を知り、アンサンブル力を高める。
準備段階でどれだけ頭を使えるかが、夏の結果を変えます。
今のうちに賢い準備をして、不安要素をゼロにし、夏には余裕を持って心から音楽を楽しめるようにしましょう!
皆さんの「戦略的な夏」を応援しています!


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