こんにちは!
今回は、ティンパニをミュート(消音)する方法について紹介していきます!
この記事では、次の内容を知ることができます!
- ティンパニの正しいミュートの仕方と、上達するための練習方法
- ミュートをする際に特に気をつけるべき大切なポイント
日々の練習に生かしてみてください!
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ミュートの仕方、練習方法
ティンパニのミュートは、単に音を止めるだけでなく、音楽的な表現を豊かにするための大切な技術です。
ここでは、基本的なミュートのやり方と、それを確実に身につけるための練習方法を確認しましょう。
- 基本的なミュートテクニックの種類
- ミュートする手の準備と動き
- 効果的なミュート練習の方法
順番に紹介します!
基本的なミュートテクニックの種類
ティンパニのミュートには、いくつかの基本的な方法があります。
状況や求める効果によって使い分けられるようになりましょう!
指でのミュート

- これが最も一般的で、素早く、かつ繊細なミュートが可能な方法です。
- 通常、マレットを持っていない方の手の指(人差し指、中指、薬指など、複数の指を揃えて使うことが多いです)を、ティンパニのヘッド(打面)にそっと触れさせて振動を止めます。
- ポイントは、指のどの部分を使うか(指先で軽く触れるか、指の腹で少し広めに押さえるかなど)や、どの程度の力でヘッドに触れるかによって、ミュートの効き具合や音の止まり方が変わってくることを理解することです。
- 最初は、ヘッドの端に近い部分(叩く場所の反対側あたり)に、優しく指を置くイメージで試してみましょう。
手のひらでのミュート

- より広範囲を確実にミュートしたい場合や、大きな音(フォルテなど)をしっかりと止めたい際に有効な方法です。
- 手のひら全体、あるいは手首に近い部分を使って、ヘッドの振動を優しく、しかし確実に抑えます。
- 指でのミュートよりも広い面積でヘッドに接触するため、より素早く、そして確実に音を止めることができます。
- ただし、指でのミュートに比べて動きが少し大きくなりがちなので、非常に速いパッセージでの細かいミュートには指の方が適している場合もあります。
両手でのミュート

- 非常に大きな音量でティンパニを演奏した後や、複数のティンパニの音を同時に、あるいは素早く連続してミュートする必要がある場合などに使われます。
- 両手の指や手のひらを使って、効率的にヘッドの振動を止めます。オーケストラ曲のエンディングなどで、全てのティンパニの音を「ジャーン!」と鳴らした後にピタッと止めたい時などに有効です。
- この場合も、力任せに押さえつけるのではなく、あくまでヘッドの振動を吸収するような優しいタッチを心がけましょう。
マレットを持つ手でのミュート

- マレットを持つ手でミュートをする場合は、中指より外側の指3本でミュートします。
- マレットを2本の指でしっかり支えましょう。
- 少し難しい技術ですが、慣れてくると、指でのミュートと同じ効果が得られます。
マレットのフェルト部分を使ったミュート (応用テクニック)
- これは少し応用的なテクニックですが、非常に柔らかく音を減衰させたい場合や、特殊な音響効果を狙う場合などに使われることがあります。
- マレットのヘッド(フェルト部分)を、叩いた後のヘッドにそっと触れさせて振動を徐々に抑える方法です。
- 指や手でのミュートとは異なる、ふんわりとした独特の減衰効果が得られます。
- ただし、これは基本的な指や手でのミュートが確実にできるようになった上で挑戦するテクニックと考えましょう!
まずは、指でのミュートと手のひらでのミュートを確実に習得することを目指してください!
これらの基本的なテクニックを、楽譜の指示や音楽的な状況に合わせて使い分けられるようになることが目標です。
ミュートする手の準備と動き
効果的で美しいミュートを行うためには、音を出すマレットを持つ手だけでなく、ミュートする手の準備と動きにも注意しましょう!
- 打つ手との連携を意識する
→ティンパニの演奏は、音を出す手(マレットを持つ手)と、音を止める手(ミュートする手)の絶妙なコンビネーションで成り立っています。この2つの手の動きがスムーズに連携するように意識しましょう。
例えば、右手で音を叩いた直後に左手でミュートする場合、右手がマレットを振り下ろす動きとほぼ同時に、左手がミュートのための準備を始め、最適なタイミングでヘッドに触れられるようにします。
- ミュートできる位置に手を準備しておく。
→音を叩く直前には、ミュートする手が適切な位置にスタンバイされていることが理想です。通常は、ヘッドのすぐ近く、叩くポイントの反対側あたりに、いつでもミュートできる状態で手を準備しておきます。
これらのポイントを意識して練習することで、より上手なミュートが可能になりますよ!
効果的なミュート練習の方法
では、実際にミュートを上達させるためには、どのような練習をすれば良いのでしょうか?
いくつか効果的な練習方法を紹介します。
- 基本的な音価でのミュート練習
- まずはメトロノームを使い、ゆっくりとしたテンポ(例:♩=60など)で、四分音符や八分音符などの基本的な音価で演奏し、その音価通りに正確にミュートする練習をします。
- 最初は一つのティンパニで、慣れてきたら複数のティンパニを使って音程を変えながら行いましょう。
- 様々なダイナミクスでのミュート練習
- ピアニッシモ(pp)からフォルティッシモ(ff)まで、様々な音量で音を出し、それぞれの音量に応じた適切なミュートができるように練習します。
- 特に、大きな音をミュートする際は、ヘッドの振動が大きいため、手のひらを使うなど、より確実に音を止められるテクニックが必要です。
これらの練習を日々の基礎練習に取り入れることで、ミュートの技術は着実に向上します。
焦らず、一つ一つの音、一つ一つの休符を大切にしながら練習に取り組んでください!
ミュートの気を付けるべきポイント
ティンパニのミュートを練習する上で、特に気をつけてほしい大切なポイントがいくつかあります!
- ミュートノイズを出さないように注意する
- ミュートするタイミングの正確性
- 音楽的なミュート
順番に紹介します!
ミュートノイズを出さないように注意する
ミュートをする際に最も気をつけたいことの一つが、「ミュートノイズ」を出さないことです。
ミュートノイズとは、ミュートする瞬間に指や手がヘッドに当たって「パチッ」「バサッ」「ザッ」といった余計な雑音が出てしまうことです。
せっかく美しいティンパニの音色を奏でても、ミュートの際に雑音が出てしまっては台無しです。
ミュートノイズを防ぐためのポイントを参考に、練習してみてください!
- ヘッドに触れる瞬間のタッチをできるだけ優しく、柔らかくすること。
- 指や手のひらをヘッドに「叩きつける」のではなく、ヘッドの振動を「吸収する」ようなイメージで触れること。
- ミュートする手の動きを、必要最小限に、かつ滑らかにすること。
特にピアニッシモの場面や、静かな曲調でのミュートは、このミュートノイズが非常に目立ちやすいので、細心の注意が必要です。
自分のミュートの音をよく聴き、「今、雑音が出ていないかな?」と常に確認しながら練習しましょう!
ミュートするタイミングの正確性
ミュートは、音を出すのと同じくらい、その「タイミング」が非常に重要です。
楽譜に書かれた音価通りに音を止めること、休符の始まりで確実に音が消えていること、これらが音楽の明瞭さやリズムの正確さを左右します。
ミュートのタイミングが遅れると、音がだらしなく伸びてしまい、他のパートの邪魔になったり、音楽全体のテンポ感が曖昧になったりします。
逆に、ミュートのタイミングが早すぎると、音が途切れて聴こえたり、楽器から十分な響きが得られなかったりします。
メトロノームを使って練習することはもちろんですが、それに加えて、練習中や演奏中は、次の内容を意識してみてください!
- 指揮者の指示をよく見ること(特に曲の終わりやフェルマータの後のカットなど)。
- 他の楽器の音の長さやリズムと調和するように、自分の音の長さをコントロールする意識を持つこと。
音楽的なミュート
ミュートは、単に機械的に音を止める作業ではありません。
その曲の雰囲気や音楽的な文脈によって、ミュートの仕方やニュアンスを変える必要があります。
- 非常に鋭いスタッカートが求められる場面では、叩いた瞬間に素早く、かつ完全に音を止めるミュートが必要です。
- 柔らかく余韻を残したい場面では、指先でそっと触れるようにして、自然に音が減衰していくようなミュートが効果的な場合もあります。
休符で音を止めなくてもよい場面も、存在します。
機械的に休符でミュートするのではなく、楽譜に書かれた指示(スタッカート、テヌート、フェルマータ、L.V.など)を注意深く読み解き、この場面でティンパニの音をどのように響かせたいのかを常に考えることが大切です。
指導者の先生にアドバイスをもらったり、参考になるプロの演奏を聴いたりして、音楽的なミュートの表現力を磨いていきましょう。
まとめ
この記事では、以下の内容について紹介しました!
- ティンパニの基本的なミュートテクニックの種類(指、手のひら、両手、マレット)。
- 効果的なミュートのための、ミュートする手の準備と動きのポイント。
- ミュートの技術を向上させるための具体的な練習方法(基本音価、ダイナミクス、休符、ロール)。
- ミュートをする際に特に気をつけるべき3つの重要なポイント(ミュートノイズ、タイミングの正確性、音楽的文脈)。
ティンパニのミュートは、練習すれば必ず上達します!
今日紹介したことを参考に、日々の練習を大切にして、音を出すことと同じくらい「音を止める」ことにも意識を向けてみてください!