こんにちは!
今回は、打楽器の中でも特に音楽の土台を支え、豊かな響きを生み出す「ティンパニ」の、非常に重要なテクニックである「ミュート」について、その基礎練習の方法と上達のコツを詳しく解説していきます!
ティンパニのミュートは、タイミングが難しかったり、音が綺麗に止まらなかったり…」そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、以下の内容を紹介します!
- ミュートを練習するための基礎練習の使用楽譜紹介
- ミュートが上達するための効果的な基礎練習メニューのポイント
- 練習する上での注意点やコツ
この記事を読んで、自信を持ってティンパニのミュートに取り組めるようになりましょう!
参考にしている教則本はこちら!
基礎練習の楽譜紹介
今回紹介する基礎練習はこちらです!

この基礎練習の概要は次の通りです!
各演奏でどのような練習をしているのか考えながら演奏してみましょう!
- 1~4小節目:1台のティンパニをミュートする練習
- 5~8小節目:2台のティンパニをミュートする練習。
- 9~16小節目:リズムの演奏後にミュートする練習。
基礎練習の練習内容
この基礎練習に取り組むことで、どのようなメリットがあり、どんなスキルが上達するのか、具体的に見ていきましょう!
この練習で得られる主な効果は次の通りです。
- 演奏技術全体の向上
- 音楽の「間(ま)」を意識できるようになる
順番に紹介します!
演奏技術全体の向上
ミュートは、ティンパニ奏者にとって必須のテクニックです。
ミュート技術の習得は、演奏全体の正確性を格段に向上させます!
なぜなら、ミュートの技術は単に音を止めるだけでなく、以下の要素が含まれるからです!
- 音を出すタイミングと同じくらい、音を「止める」タイミングを正確にコントロールする練習になる。
- 音を出す手(マレットを持つ手)と、音を止める手(ミュートする手)の動きをスムーズに連携させる必要があるため、左右の手の独立性や協調性を高める練習にもなる。
ミュートを上手に行うことで、作曲家や楽譜の意図を、より正確に表現できるようになります!
ミュートの練習を通して、楽譜をより正確に演奏する技術を身につけましょう!
音楽の「間(ま)」を意識できるようになる
ミュートは、「音を出さないこと(無音の状態を作り出すこと)」を意識するテクニックです。
休符が作り出す「間(ま)」は、音楽にとって非常に重要な要素です。
ミュートができることによる演奏効果
- フレーズの終わりや、音楽の区切りを明確に示すことができる。
- 緊張感や静寂といった、音楽的な効果を生み出すことができる。
例えば、力強いフォルテの音を叩いた後、ピタッと正確なタイミングでミュートすることで、その音のインパクトがより強調され、次の音への期待感が高まります
逆に、ミュートが曖昧だと、音がだらしなく伸びてしまったり、他のパートの邪魔をしてしまったりすることもあります。
ミュートの練習は、音楽における「間」の重要性や効果を深く理解し、それを意図的に表現できるようになるためのトレーニングです。
ティンパニの基礎練習でのポイント
このミュートの基礎練習をより効果的に行い、確実に上達するために、常に意識しておきたい大切なポイントをいくつか紹介します!
- 基本的なミュートテクニックの習得
- ミュートする手の準備と動き
順番に紹介します!
基本的なミュートテクニックの習得
ティンパニのミュートには、いくつかの基本的なテクニックがあります。
まずはこれらをしっかり習得しましょう。
詳しくは、こちらの記事で紹介しています!

指でのミュート

- これが最も一般的で、素早く、かつ繊細なミュートが可能な方法です。
- 通常、マレットを持っていない方の手の指(人差し指、中指、薬指など、複数の指を揃えて使うことが多いです)を、ティンパニのヘッド(打面)にそっと触れさせて振動を止めます。
- ポイントは、指のどの部分を使うか(指先で軽く触れるか、指の腹で少し広めに押さえるかなど)や、どの程度の力でヘッドに触れるかによって、ミュートの効き具合や音の止まり方が変わってくることを理解することです。
- 最初は、ヘッドの端に近い部分(叩く場所の反対側あたり)に、優しく指を置くイメージで試してみましょう。
手のひらでのミュート

- より広範囲を確実にミュートしたい場合や、大きな音(フォルテなど)をしっかりと止めたい際に有効な方法です。
- 手のひら全体、あるいは手首に近い部分を使って、ヘッドの振動を優しく、しかし確実に抑えます。
- 指でのミュートよりも広い面積でヘッドに接触するため、より素早く、そして確実に音を止めることができます。
- ただし、指でのミュートに比べて動きが少し大きくなりがちなので、非常に速いパッセージでの細かいミュートには指の方が適している場合もあります。
両手でのミュート

- 非常に大きな音量でティンパニを演奏した後や、複数のティンパニの音を同時に、あるいは素早く連続してミュートする必要がある場合などに使われます。
- この場合も、力任せに押さえつけるのではなく、あくまでヘッドの振動を吸収するような優しいタッチを心がけましょう。
マレットを持つ手でのミュート

- マレットを持つ手でミュートをする場合は、中指より外側の指3本でミュートします。
- マレットを2本の指でしっかり支えましょう。
- 少し難しい技術ですが、慣れてくると、指でのミュートと同じ効果が得られます。
マレットのフェルト部分を使ったミュート (応用テクニック)
- 非常に柔らかく音を減衰させたい場合や、特殊な音響効果を狙う場合などに使われることがあります。
- マレットのヘッド(フェルト部分)を、叩いた後のヘッドにそっと触れさせて振動を徐々に抑える方法です。
- ただし、これは基本的な指や手でのミュートが確実にできるようになった上で挑戦するテクニックと考えましょう!
これらの基本的なミュートテクニックを、楽譜の指示や音楽的な状況に合わせて使い分けられるようになることが目標です。
ミュートする手の準備と動き
効果的なミュートを行うためには、ミュートする手の準備と動きにも細心の注意を払う必要があります。
- 打つ手との連携を意識する
→ティンパニの演奏は、音を出す手(マレットを持つ手)と、音を止める手(ミュートする手)の絶妙なコンビネーションで成り立っています。この2つの手の動きがスムーズに連携するように意識しましょう。
例えば、右手で音を叩いた直後に左手でミュートする場合、右手がマレットを振り下ろす動きとほぼ同時に、左手がミュートのための準備を始め、最適なタイミングでヘッドに触れられるようにします。
- ミュートできる位置に手を準備しておく。
→音を叩く直前には、ミュートする手が適切な位置にスタンバイされていることが理想です。通常は、ヘッドのすぐ近く、叩くポイントの反対側あたりに、いつでもミュートできる状態で手を準備しておきます。
- 音を出さないミュート
→ミュートする際に、指や手がヘッドに当たって「パチッ」とか「バサッ」といった余計な音(ミュートノイズ)が出てしまわないように、細心の注意を払いましょう。
これらのポイントを意識して練習することで、よりきれいなミュートをすることができます!
まとめ
いかがでしたか!
今回の記事では、次の内容を紹介しました!
- ティンパニのミュート練習に取り組むことで得られる3つの大きなメリット(演奏技術全体の向上、音楽の「間」の意識、音楽的表現力の向上)。
- 基本的なミュートテクニックの種類(指、手のひら、両手、マレット)とそのポイント。
- 効果的なミュートのための、ミュートする手の準備と動きに関する重要な注意点。
ティンパニのミュートは、練習すれば必ず上達します!
今日紹介したポイントを参考に、日々の基礎練習を大切にして、音を出すことと同じくらい「音を止める」ことにも意識を向けてみてください!