こんにちは!
今回は、特定の楽器ではなく、打楽器パート全体に関わる「新年度に向けた準備」について、プロの視点からお話ししていきます!
コンクールやアンサンブルコンテスト、定期演奏会が終わったこの時期(1月~3月)。
部活全体が少し落ち着いた雰囲気になっている学校も多いのではないでしょうか?
でも、打楽器パートの皆さんの心の中には、ある「期待」と「不安」が入り混じっているはずです。
そう、もうすぐ新入生が入ってくるということ。
「新しい後輩楽しみだな!」というワクワク感の一方で、「今の自分の実力でちゃんと教えられるかな…?」「変な癖がついたまま先輩になって大丈夫かな?」なんて不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんなあなたのために、以下の3つのポイントを重点的に解説します。
- なぜ新入生が来る前の「今」が基礎練習のラストチャンスなのか
- 先輩になる前に必ず見直しておきたい、技術的なチェックポイント
- 自信を持って後輩を指導するための心構えと準備
新入生が入ってくる前の「今」こそ、徹底的に基礎練習に取り組んで、胸を張れる先輩になる絶好のチャンスです。
この記事を読んで、毎日の基礎練習をもっと意味のある、熱いものにしていきましょう!
参考にしている教則本はこちら!
なぜ「今」基礎なのか? 3つの理由
まずは、なぜ1月〜3月のこの時期に、改めて「基礎」に立ち返る必要があるのか、その理由を明確にしていきましょう!
「なんとなく時期的に暇だから」ではなく、明確な目的意識を持つことで練習の質は劇的に変わります!
ここでは、次の3つのポイントについて見ていきます。
- 自分の「悪い癖」をリセットできる最後の期間であること
- 「感覚」ではなく「言葉」で理解するため
- 打楽器は「視覚」の情報量が多い楽器であること
順番に紹介します!
1. 自分の「悪い癖」をリセットできる最後の期間
コンクールや定期演奏会シーズンは、どうしても「曲を仕上げること」が最優先になりがちです。
難しいパッセージを叩けるようにするために、多少無理なフォームで演奏してしまったり、力みが入ったまま叩き続けたりしていませんでしたか?
実は、曲の練習に追われている間は、フォームの崩れを直す暇がありません。
そして、一度新入生が入ってくると、今度は「指導」に時間を取られ、自分自身の基礎練習に使える時間は激減してしまいます。
つまり、誰にも邪魔されず、自分のフォームや音色とじっくり向き合い、「悪い癖」をリセットできるのは、新入生が来る前の今しかないのです。
この期間を逃すと、悪い癖を持ったまま先輩になり、それを後輩に伝染させてしまうことになりかねません。
2. 「感覚」ではなく「言葉」で理解するため
あなたは、自分がどうやってその音を出しているか、言葉で説明できますか?
「もっとバーン!って叩いて」「ここ、なんとなくイイ感じに」といった抽象的な言葉は、初心者には通用しません。
今まで「感覚」でなんとなく叩けていた部分を、基礎練習を通じて「なぜその音が出るのか」「どうすれば上手くいくのか」という論理的な言葉(ロジック)に変換する必要があります。
「スティックのリバウンド(跳ね返り)を使うために、指はこう使う」「音の芯を捉えるために、打点はここを狙う」といったように、自分の動きを言語化する作業は、基礎練習の中で確認しましょう!
これができて初めて、初心者に伝わる指導ができるようになります!
3. 打楽器は「視覚」の情報量が多い
打楽器は、管楽器と違って、音が出る瞬間までの動きがすべて「目に見える」楽器です。
フォーム(叩き方)が音に直結するのはもちろんですが、それ以上に「見た目の美しさ」が良い演奏の説得力を生みます!
そして、後輩たちは先輩の演奏を「音」だけでなく「目」で見て学びます。
もし先輩が、猫背で、脇が開いていて、無理やり叩きつけるようなフォームだったらどうでしょうか?
後輩も必ずそれを真似します。
逆に言えば、先輩の美しいフォームこそが、最高の手本(教科書)になるということです!
鏡を見て自分の姿をチェックし、「カッコいい先輩」の見た目を手に入れるためにも、今、基礎を見直す必要があります。
具体的に見直すべきチェックポイント
基礎の大切さが分かったところで、では具体的に何をチェックすれば良いのでしょうか?
良い音を出すためには、まず正しい構え方と基本的な音の出し方をマスターすることが大切です!
ここでは、次のポイントに絞って解説します。
- グリップ(持ち方)の再確認
- メトロノームとの付き合い方
- 音色の均一化
順番に紹介します!
グリップ(持ち方)の再確認
まずは、基本中の基本であるグリップ(スティックやマレットの持ち方)を見直しましょう!
長期間、曲の練習ばかりしていると、左右のバランスが崩れていたり、特定の指に力が入っていたりすることがよくあります。
- 左右のバランスは均等か?
利き手だけで叩こうとしていませんか?左右の手の甲の向き、指の掛かり具合が同じになっているか確認しましょう。 - 無駄な力が入っていないか?
スティックを「握りしめて」いませんか?打面を叩いた後の「リバウンド(跳ね返り)」を感じられていますか?スティックが自由に動ける状態を作れているかが重要です!
【プロのアドバイス】
「鏡の前」に立って自分の演奏姿勢を確認してみてください。難しいことはせず、ただの「8分音符」を叩いて自分を客観視しましょう。
「あれ、右肩が上がってる?」「左手の振りが小さい?」など、自分の感覚と実際の動きのズレに気づくはずです。
メトロノームとの付き合い方
基礎練習の相棒、メトロノーム。ただ「カチカチ」鳴らして、それに合わせているだけになっていませんか?
新入生を迎える前のレベルアップとして、以下の点を意識してみてください。
- 「裏拍」を感じているか
クリック音(表拍)に合わせるだけでなく、その間の空間(裏拍)を感じ取れていますか?裏拍を感じることで、テンポが走ったり遅れたりするのを防げます。 - ゆったりしたテンポで正確に打てるか
速いテンポは勢いで誤魔化せますが、テンポ60などの遅いテンポは誤魔化しが効きません。一打一打のタイミング、音色が揃っているか、厳しい耳でチェックしましょう。
メトロノームの活用方法はこちらで解説しています!

音色の均一化
スネアドラム、ティンパニ、シロフォンなどの鍵盤打楽器。
これら全てにおいて共通する課題が「音色の均一化」です。
右手と左手の音色は同じですか?
クレッシェンドした時に、音色は汚くなっていませんか?
どの楽器を担当しても「芯のある音」が出せていますか?
基礎練習では、リズムを叩くことだけに集中せず、「今の音、本当に良い音だったかな?」「楽器を最大限に響かせられているかな?」と、常に音色に耳を傾けてください!
後輩は、あなたのその「良い音」に憧れて入部してくるのです。
基礎練習の楽譜紹介
こちらのサイトでは、スティックやマレットの基礎練習のほかに、各楽器用の基礎練習も販売しています!
各楽器特有の奏法を確認するのに役立つ基礎練習です!

後輩指導は「自分の基礎」を試す試験会場
最後に、精神面、マインドセットのお話です。
基本的な音が出せるようになったら、次はいよいよ実践的な準備です!
ここでは、次の3つのポイントについて見ていきます!
- 「教える」ことの本質について
- 自信のない先輩は見抜かれるということ
- 準備こそが自信を生むということ
順番に紹介します!
「教える」=「自分の理解度を確認する」
「後輩に教えるの、自信ないなぁ」と思っている人ほど、発想を変えてみてください。
「教える」という行為は、「自分の理解度を確認する」ための作業なのです。
今のうちに、後輩に教えるつもりで基礎練習のメニューを自分で組んでみましょう。
「まずこれをやって、次にこれを教えよう。その時の注意点は…」と考えていくと、「あれ、ここ自分でもよく分かってないな」というポイントが見つかります。
「ここは手首を柔らかく使うように言おう」と言語化することで、自分自身の演奏中も手首を意識できるようになります。
つまり、後輩のために準備することが、結果として自分自身を最も成長させる練習になるのです。
自信のない先輩は、後輩に見抜かれる
厳しいことを言いますが、自信のなさは音にも態度にも表れ、それはすぐに後輩に見抜かれます。
しかし、ここで言う「自信」とは、「超絶技巧が叩けること」ではありません。
「基礎を誰よりも大切にしている」という姿勢こそが、本当の自信と信頼を生みます。
- 「私はこうやって基礎を積み重ねてきたから、大丈夫」
- 「この練習の意味はちゃんと説明できる」
そう言える自分が準備できていれば、たとえ演奏技術でプロ並みでなくても、後輩はあなたを「頼れる先輩」として慕ってくれます。
自信を持って「こう叩くんだよ」「一緒に練習しよう」と言える自分になるために、今すぐに基礎練習を見直してみてください!
まとめ
春はもうすぐそこまで来ています!
新入生にとって、最初に出会う先輩であるあなたが、打楽器の「基準」になります。
- 今こそ「悪い癖」をリセットし、言語化するラストチャンス!
- 鏡を使って「見た目(フォーム)」を磨き、良い手本になろう!
- 「教える準備」をすることで、自分自身の理解度と自信を高めよう!
今日の基礎練習は、未来の後輩のため、そして何より「ワンランク上の奏者」になる自分自身のために取り組みます!
あなたが自信を持って春を迎えられるよう、心から応援しています!


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